小野哲平+勝見淳平展を終えて

こんばんわ。祥見です。

onariNEARの日記に署名入りで 文章を書くのは 初めてのことです。

最初にお詫びをしなくてはなりません。

細野晴臣さんのトリビュート カプチーノ展が終わった翌日に始まった展覧会のこと、この場でお知らせする間もなく、「終わってしまって」いたのです。

ごめんなさい。


そこで、後日日記となるのですが、いつもと違って「後記」としてお読みいただければ 幸いです。

3月1日 細野晴臣さんの鎌倉ライブ 鎌倉芸術館小ホールで行われました。

このライブが決まってから、この日を無事に終えられるかどうか、主催者として、大きな責任を感じながら、

多くの皆さんの力をお借りして、想像していた以上の素晴らしい時間をともに過ごすことができました。

改めて、お礼申し上げます。

細野さんの好まれる「カプチーノ」に最高の器を・・・という、かつてないコンセプトで行われた「カプチーノ展」は
初めてお声がけした作家もいらして、いつものNEARとはまた違った空間になりました。

店内には、細野さんが鎌倉ライブのために 選曲してくださった1940年代の音楽が流れ、雰囲気をいっそう盛りたててくれました。

私はなんだか、嬉しかったですね。

NEARは、「人のそばにあるもの」という意味でつけた店名ですが、

その名前の通りに、この小さな空間がなれたような気がして。


そして、ライブの興奮や感動が冷めないまま、翌日の3月2日に初日を迎えたのが

小野哲平+勝見淳平展です。


この展覧会については、単なる「土の器とパンの組み合わせ」ととらわれてしまってはならない・・という想いが
ありました。

それで、二人展への文章を書きました。


http://utsuwa-shoken.com/teppeijumpepi.html


迎えた初日は、北海道から新潟から京都から・・・・と遠方からお出かけいただく熱心な方も多く、

冷たい雨の降り続くコンディションのなか、大勢の方の熱気で NEARの窓ガラスは「曇りっぱなし」でした。


勝見淳平君のパンは、酵母も自分で発酵させて作るパンです。

パンは毎日、薪窯で焼かれ、毎日届けられました。

その圧倒的な存在感は、小野哲平さんの薪窯焼成の土の器と、肩を並べるものでした。

よく、土の器には土から生まれた野菜がよく似合う・・・とこれまでお伝えしてきましたが、

パラダイスアレイのパンも、まさに、そのしっかりと自然の力で熟成したパンは、
まさに土から生まれたものですから
土の器とともにあることが、自然なのでした。

はたして、こういう言葉の使い方がふさわしいのかどうか わかりませんが、

このふたりの「二人展」は、まさしく「二人展」として、最高の組み合わせでした。
これ以上のことはもうないだろう・・と思えるほどに
出会いに、仕事に、生き様に、これからに、希望に、未来に・・・。

ひとつの言葉では 決して たやすく 語ることのできない 発酵した何かが 
ここでやはり、「生まれた」のです。

勝見淳平君と小野哲平さんの二人展が NEARで行われたことは、大きな意味となることでしょう。


・・・実は、いまのようなことは 最終日に、ふと強く感じたことなのです。

そして、最終日の朝、私はある人の顔を思い浮かべるのですね。

それが、ミュージシャンの「ハナレグミ」こと 永積タカシ君です。

二人の共通の友人です。


彼がこの展覧会を実際に見てくれたら、この展覧会は次に向かっていける・・・と。

そう思ったのです。

そして、夕方、もう一時間でこの展覧会も終わる・・というときに、本当に彼はやってきました。

永積君とゆっくり言葉を交わすのは、とても久しぶりです。

DVDブックうつわびと小野哲平の出版記念のライブを 高知の牧野植物園で行っていただいた以来かもしれません。

NEARに来てくれた永積君と、短い時間でしたが、さまざまな話をしました。

土の器を伝えている意味、ライブと展覧会、どちらも「未来への約束」なのでは・・ということ、哲平さんは器で淳平君はパンで伝えようとしていて、それは確実に受け止める人には伝わっているのではないか・・という実感について。そして、震災後 いっそう、伝えていきたい「食べる」について・・・・・。

永積君は、「いままで、器をこれほど身近に感じられたことはなかったけれど、なんだか、距離が近くなったような気がする」嬉しそうに、淳平君のパンと哲平さんの器を写真に撮っていきました。

「ねぇ、今度は三人で何かできるといいね」と私が言うと

「やるやる、でもぼくは、名前に「ぺい」が付いていないけど、大丈夫?」と笑いながら言うので

「もちろん」と応えると、

「じゃあ、with Tで・・・」。


そのあと、永積君はパラダイスアレイに淳平君を訪ねていきました。


展覧会を無事に終え、高知の小野哲平さんに電話をして、永積君が来てくれたこと、今回の展覧会について彼に伝えたこと、彼が「次は一緒に」と言ってくれたことを話すと、哲平さんはとても嬉しそうに「じゃ、次は三人展だね」と笑っていました。


小野哲平+勝見淳平展 お出かけいただいた皆様、ありがとうございました。



この展覧会が 3月に行えて 本当に良かったと思います。

「また次回へつなげよう」 「また次をやろう」と 素直に思います。

そのときは、また、同じ気持ちで 未来へ向かっていたい・・・と願います。

いつになるかは、いまは約束できませんが、

きっと、無理をしないでいても、そのときはきっと 自然にやってくることでしょう。

ぜひ、皆さんも、楽しみに その日を待っていてください。